一人睨めっこ
第二章 君のお陰で

一節 告白

『半年くらい前だったかな……』

 優兄は語りだした。

『俺は駿に誘われて、一人こっくりさんをやったんだ』

 優兄は、辛そうな表情を浮かべた。

「一人……こっくりさん?」

『説明すると長いけど、パソコンで出来るこっくりさんかな』

「ふうん……」

 イマイチよく分からない箇所もあったが、今は話の続きの方が気になったので追及しなかった。

『夜中――丑三つ時にそれをやった』

「俺が一人睨めっこをやったのと同じ時間だ」

 俺は小さく呟いた。
 優兄は話を続けた。

『そして俺は、こっくりさんを帰らせないまま寝てしまったんだ』

 帰らせないまま?
 呼びっぱなし?
 それは何となくヤバイ気がする。

『俺は次の日普通に学校に行って、家に帰った』

 あれ?
 ヤバくも無かったのか?

 そんな俺の思いは、すぐに崩れてしまった。

『俺の部屋に行くと母さんが、こっくりさんに食べられていたんだ』
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