一人睨めっこ

四節 目的

『それは、チ――じゃなくて宮下に話があって』

 葛西は淳を指差して言った。

 こいつ、今淳の事チビって言い掛けただろ。

『俺?』

 指を差された淳は首を傾げた。

『正確に言うと、藤崎にも』

「俺も?」

『そう』

 葛西は答えた。

『宮下には話したんだけど、私には特別な能力があるの』

 葛西はそう言ってちゃっかり優兄の隣に腰掛けた。

「特別な能力?」

『何て言うか――人が本来持つオーラが見えるの』

「オーラ……、って?」

 俺は聞き返した。

『例えば、優様のような心優しい人のオーラは凄く輝いているわ。逆にニュースに出ている殺人者とか、悪い心を持つ人はどす黒いオーラが出ているの』

 優兄を使った例えは置いといて――成る程。

『お母さんに話したら、お母さんも見えるんだって。お祖母ちゃんも、ひい祖母ちゃんも見えるって』

「遺伝って事か?」

『正解〜やるじゃない』

 何か褒められた。
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