一人睨めっこ
『だからぁ、まー……真琴君が“こんな風になりたい”って言う理想や願望が真琴君の中で一つの命としてうまれちゃったんだよ』

 俺の――理想や願望が……。

「でもさ、それだったら俺の体取ろうとしたりしないでしょ」

 人の体乗っ取りたいなんて理想も願望も俺には無い(当たり前だ)。

『そこなんだよねぇ――』

 駿兄は首を傾げた。

「後あんまり関係無いけど……駿兄は何でそんなにすらすら考えが出てくるんですか?」

 あ、何か敬語になっちゃった。 まぁ(一応)年上だもんな。

『それは――』

『こいつ、オカルトマニアだから』

 優兄が代わりに言った。

『えーそうかなぁ?』

『うん、滅茶苦茶』

『そんなに褒めないで〜っ!!』

 駿兄はキャッキャッと照れた。

 女子か!!
 って言うか褒めてないだろ。

 優兄も同じような事を考えている気がした。
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