一人睨めっこ
「そういえば葛西は?」

 さっきからヤケに静かだと思ったら、葛西が居ない。

『あいつなら、一旦家帰るとか言って――』


『出来たよーっ!!』

 丁度その時、葛西が入ってきた。

「出来たって何が――」

 俺が最後まで言い終わる前に、目の前に葛西が迫ってきた。

「ちょ……葛西!?」

 こ、これは近いって!

『じっとしててね……』

 そう言って俺の首筋に触れた。

 え、何これ何これ。
 目の前に葛西が。
 こんな展開初めてなんですけど。
 首に、葛西の息を感じる。
 ……葛西って意外と、美人かもな。
 ――って何考えてんだ俺!!!

『はいっ装着完了ー!』

 葛西が俺から離れた。
 ほっとした気持ちと、残念な気持ちが交じり合う。

 ……って残念な気持ちなんかねぇよ!!

「ん?」

 葛西が触れていた首筋を触ると、何やら鎖が。

『真奈美ちゃんの手作り! 魔除けペンダントだよー』

 そうか……今俺にこれを付けていたのか。

『一応皆の分もあるからっ』

 そう言って葛西は同じように皆に付けた(優兄の時だけ妙に長かった)。
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