一人睨めっこ
「あ」

 俺と駿兄の目が合った。

 なんか……気まずい。

『さっき……ぶっちゃって、ごめんね?』

 駿兄が言った。

「いや、その――俺こそごめん」

 俺は駿兄に向かって軽く頭を下げた。

『簡単に死ぬとか言ってほしくなかったんだぁ』

「うん……」

 駿兄は、にっこりと笑った。



『お取り込み中申し訳ないが――』

 優兄が口を開いた。

『駿、いい加減離れろ』

 駿兄はまだ優兄にしがみ付いたままだった……。

『えぇ〜っ』

『駄々をこねるなっ』

 そう言って優兄は駿兄にデコピンをした。

『いったぁ〜』

 駿兄は優兄から離れた。

『ったく――何だよその目は』

 俺の目線を感じたのか優兄が言った。

「何でも無い――」

 この二人の関係って……。
 怪しい、怪しすぎる。

『そうか』

 優兄は無自覚だけど。
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