一人睨めっこ
「淳はさ、皆の人気者じゃん?」

 俺も布団に潜った。

『まあな』

 また認めた……。

「俺が居なくても、いいんじゃないか?」

 俺は初めて、本音を口にした気がした。

『…………』

 淳は黙っている。

「だから俺なんか――」

『お前アホか』


 ………………はい?

「なっ――」

『んな、親友になるのに理由が居るのか?』

「え?」

『俺は、真琴がいい』

 俺は体を起こして、淳を見た。

『それだけじゃ駄目なのか?』

 淳も体を起こして、俺を見ていた。

「だって――」

 俺は地味だし平凡だし、これといった特徴や取り柄もない。

『俺は、真琴は一番の親友だと思ってるけど。お前は違うの?』

 気が付くと俺は淳の傍で――

「俺も……淳が、一番の親友だ……」

 ――泣いていた。

『ああ』

 そう言って淳は、俺の肩を優しく叩いた。

 朝日が俺達を照らし、輝かせた。
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