一人睨めっこ
『……よし! 今度こそ寝るか』
淳が再び布団へ戻ったので、俺も戻った。
「淳」
『何だよ』
「ありがとな」
『何がだよ』
「……おやすみ」
『おやすみ』
目を閉じると、今まであまり感じていなかった眠気が急に襲ってきた。
そして俺はあっという間に眠りについた。
「…………ん?」
気付くと、知らない場所に居た。
そうか、これは夢か。
俺が立っているのは、真っ白な世界だった。
俺以外、誰も居な――
『……っく、……ぅ』
――居た。
すぐ近くに蹲っている人が居た。
「あの……」
俺はその人に話し掛けた。
その人は俺を見た。
………………え?
「俺!?!?」
蹲っていたのは、……俺だった。
『なぁ』
蹲っている――俺?――が泣きながら話し掛けてきた。
「ななな何だよ!?」
俺、動揺しまくり。
『お願いがあるんだ』
お願い?
ここ、夢なんだけど……。
『俺を一人に――――』