一人睨めっこ
「実況スレ……そんなのがあるとはな」

『ようやく見つけたのよ、感謝しなさいっ!』

 真奈美は偉そうにふふん、と笑った。

「ああ、ありがとな」

 俺はそう言って真奈美の頭を撫でた。

「…………ん?」

 見ると、真奈美は顔が真っ赤になっていた。

 ――何でだ?

『ほらそこイチャつかないっ!!』

 淳が俺の手を叩いた。

「いっ、イチャついてなんかねぇよ!!」

 俺は撫でていた手をサッと引っ込めた。
 真奈美は何故か残念そうな顔をした。


『あれぇ? 皆で集まって何してるのー?』

 駿兄が起きたようだ。

「起きたのか……今丁度皆で一人睨めっこの実況スレを見るところだから」

『皆でぇ? 優寝てるよ』

 …………。
 俺は無言で優兄を見た。
 寝てるよ、この人。

『優は1回寝たらなかなか起きないから――』

『じゃあ勝手に見るか』

 淳がそう言って画面に目を戻した。

「……だな」

 俺も画面に目をやった。


 実況スレには十人くらいの人が書き込んでいたが、実際に実況している人はニ人だけだった。
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