一人睨めっこ
「――ここか」

『ええ』

 高村麗香の家は、一般的な一戸建てだった。

 ピンポーン

 おそるおそるチャイムを押した。
 暫くして、ドアが開いた。


『何ですか――』

「えええ!?!?」

『――ああ!?!?』

 ドアから出てきた人物に、俺達は驚きを隠せなかった。
 相手も思わぬ来客者に驚いているようだ。

「林田ぁぁ!?!?」

『なっ、何だよお前等……』

『お? 晃じゃん』

『淳』

 淳が前へ出て来た。

『ちょっと、中入っていい?』

 淳が言った。

『あ、ああ……』

 林田は戸惑いながらも頷き、俺達を招き入れた。

「ここって高村麗香の家……だよな?」

『そうだけど』

「何で林田がここに居るんだ?」

『いや、その――』

 林田は頭をポリポリとかいた。
 目が泳いでいる。

 話しにくい事なのか?

『麗香は……俺の彼女なんだ』


 そっかー彼女かーなるほど……カノジョ??
 …………かのじょ
 ………………彼女!?

『『「彼女ぉ!!?」』』

 俺と淳と真奈美は、同時に叫んだ。
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