隣に君がいるから
さっきの会話で彼に何かあったんだってことは解った
でも、私は聞かない
悠磨から話してくれるのも待ってみる
『彩芽、こっち』
『んッ』
手を引かれ、意外と綺麗な校舎へと向かう
手汗が気になるのに、悠磨は恋人繋ぎをしてきた
学校でされるとなんか恥ずかしい
距離も近いし
でも幸せを感じる
『あ、彩芽って校長に会わなきゃいけん感じ?』
『え?』
『わかんないのかよ』
校長先生に会うなんて聞いて……
私は携帯を開いた
そしたらメールが一件届いていた
お母さんからだった
“ちゃんと校長先生に行くのよ”
『悠磨』
『ん?』
『連れていってください』
『はい、着いてきてください』
変なやり取りに笑みがこぼれる私たち
繋がれた手は、お互いの熱で汗が凄かった
悠磨はそれを気にしてない様子なので、私も気にしないことにした