男子校におしのび
羽都の怒声。
それはそうだ。
だって、私は女なのだ。
そうだよ。私女だよ、どうしてこんなところでこんな弱い気持ちになるんだろう?
ここで、大泣きなんてしたら、相手の思うつぼなのに…
「あれれ?泣いちゃったよ。そんなに痛かった?
でもね、お前が悪いんだよ?俺の告白断ったんだから。」
「う”、いってなー離せボケ。」
ナイフを突き付けられている、羽都が私の方に来ようとしたらしい。
ナイフが腕を少し切った。
そこから、真っ赤な血が出てきている。
「夏果泣くなよ。俺大丈夫だから。」
とかいいながらも痛そうな顔をしている。
「もう一回聞くから答えてね。」
と言って、私の口に縛っていたタオルをほどいた。
けど、あまりの恐怖に私はしゃべれない。