銀盤少年

「なんだよ。許してやるってんだから感謝しろよ」


「感謝? 誰がてめぇみたいなカス野郎に感謝しなくちゃなんねーんだよ!」


「んだとっ!? この……」


途中まで出かかった言葉は、強制的にシャットアウトされた。


ヒロの有無を言わせぬ、殺意の波動によって。


「二人とも器が大きいみたいだから、これから俺がすることも許してくれるよね」


あの、ヒロ大先生。その手にしているロープはなんですか? ていうかいつ取り出したのそれ?


しかも疑問形じゃないよね語尾のニュアンスが。俺達が許す前提で話進めてますよね絶対。


縄をビシビシさせながら、にこやかに近づいてくるヒロ。


嫌な予感しかしない。寧ろ良い予感など微塵も感じられない。


ここは逃げるが勝ちだぁぁぁああああ!




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