銀盤少年
そうだよ! どうせ俺は表現力が皆無だから、有名なジャズソングで誤魔化すしかねえんだよバーカ!
「……あははっ。さすが漆黒の狼様は言う事が違うぜ。今じゃ見る影もなくダンデライオンになっちまってるけどな」
「てめぇ……ド三流の癖に口の聞き方ってもんがわかってねえな」
「そのド三流に負けたダンデライオンちゃんは、ド四流ってところですかねぇ?」
「んだと!? てめぇなんか兄貴の金魚のフンだった……」
語尾が徐々に弱まると、全てを言い切る前に言葉が途切れた。
ありゃ? どうした一体?
なにやら不穏な空気。気まずい雰囲気。
もしかして狼谷の奴……。
「あーと、別に気にしてねえから」
「……わりぃ」
「だから気にしてねえって」