銀盤少年
多くの若い選手に活躍の機会と経験を与えようということで、日本男子のエース橋本拓斗が日本スケート連盟に自ら直訴し立ち上げさせた企画らしいが、もっとマシな名前がなかったのかと問いたい。
まあいいや、滑れる機会が増えたのは嬉しいし。橋本杯も仮名できちんとした正式名所が後で決まるだろう。
この大会はジュニア選手を対象にした団体戦で、選手三人と控え一人の計四人でエントリーしなければならない。
最初はクラブのメンツでエントリーしようかとも考えたけど、生憎クラブにいるジュニアの男子選手は俺と草太の二人だけ。
残りは女子と、ジュニアの下のカテゴリーであるノービスの子達だけ。
そこで部活のメンバーで出場しようと考えたのだ。
しかも今年初開催ということで出場チームも少ないだろうし、上手くいけば俺達チームが優勝することだって夢じゃない。
優勝すれば部費もたくさん落ちるし、衣装代の足しに……ゲフンゲフンッ。
そのためにもまずは頭数を揃えなければ。
バッチテストを持っていない優希は除外。一応バッチを持っているマネージャーのヒロを、無理やり控えてに置いて頭数を揃える。