銀盤少年

でもこのフレンドリーな対応は、以前どこかで会っている証拠。


誰だっけ? 本当に思い出せないんだがどないしよう……。


「久しぶりだな一樹! かれこれ三年ぶりか?」


「えーと、どなた様でしたっけ?」


大変失礼極まりないが、知ったかぶってもしょうがないので直接聞いてみる。


眼帯少年は一瞬キョトンとした表情を見せたが、すぐに笑顔に戻ってアハハッと声を上げた。


「俺だよ俺。仁だって」


「ジン……熊川仁!?」


「やっと気付いたか。弟君は薄情者だなぁ」


ニシシッと歯を見せる笑い方は今なお健在。


本物だ。本物の仁だ!


「どうしてここにいんだよ! お前引っ越して……まさかここの高校に!? 聞いてねえぞ!」
< 132 / 518 >

この作品をシェア

pagetop