銀盤少年
でもこのフレンドリーな対応は、以前どこかで会っている証拠。
誰だっけ? 本当に思い出せないんだがどないしよう……。
「久しぶりだな一樹! かれこれ三年ぶりか?」
「えーと、どなた様でしたっけ?」
大変失礼極まりないが、知ったかぶってもしょうがないので直接聞いてみる。
眼帯少年は一瞬キョトンとした表情を見せたが、すぐに笑顔に戻ってアハハッと声を上げた。
「俺だよ俺。仁だって」
「ジン……熊川仁!?」
「やっと気付いたか。弟君は薄情者だなぁ」
ニシシッと歯を見せる笑い方は今なお健在。
本物だ。本物の仁だ!
「どうしてここにいんだよ! お前引っ越して……まさかここの高校に!? 聞いてねえぞ!」