銀盤少年

だけどラトビアという国がユーロにあるのかアジアにあるのか、はたまたアメリカ大陸ら辺なのかさえ理解出来ていないので、三つの大陸の街並みがごちゃ混ぜになりカオスな街並みになっている。


後でデジカメ見せてもらおう。そんで地理の勉強を少しはしよう。


「にしても、仁の滑りをまた見れる日が来るなんて思ってもみなかったよな?」


ふっと微笑みながら、タクさんはリンクとリンクサイドを分ける壁に背中を預けた。


本当に侮れないなこの人は。俺が仁を気にしてるってこと、一発で見抜きやがった。


……って、あんだけ仁のこと凝視してたら誰でも気付くか。


「はい。凄く嬉しいんですけど、やっぱ気になって」


「左目のこと?」


黙って頷く。多分俺以外の人も、仁の眼帯に隠れた左目を気にしているはずだ。


だって仁の左目はほとんど……。


「仁のジャンプ見た?」


「ジャンプ……ですか?」
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