銀盤少年

嘘をつけないし大げさなお世辞も言わない。自分が思ったありのままを、ちょっとソフトにしてズバッと言い切ったり上手く誤魔化す。


だからタクさんの言葉にちょっとだけズキッとしたけど、「今のままじゃ」ということは少なからず希望があるってことだ。


タクさんに認められてる証拠。俺にとってはアイスショーで大トリを務めるより凄いことで。


口元が緩んでしまうのは仕方ないと思う。自力で止められそうにはない。


やっぱ大きいな。とてもじゃないけど敵わない。


タクさんがザパッーと湯船から上がると、丁度目の前にタクさんの大事な所が現れて……。


「「んなっ!?」」


仁とほぼ同時に、変な声を上げてしまった。


「ん? どうした?」


「な、なんでもないです。あははははっ……」


イケメンは何もかもイケメンなのだと思い知った16の夏だった―――
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