銀盤少年
「男女比率は6:4ってとこか?」
「じゃあいいじゃん。どうしてモテないんだよ」
傷の舐め合いってわけじゃないが、仁は普通にカッコイイ部類に入るイケメンだ。
眼帯をしてるからか少し恐い印象を持つかもしんないけど、当の本人はその眼帯をネタにするほどの明るい馬鹿だ。
女子も多いみたいだし、変な噂でも流れてなきゃモテるんじゃないか?
「どっかの誰かさんに全部持ってかれるんだよ……」
ジィーッと恨めしそうに見つめる先は、枕を懐に抱いた状態で寝転ぶ朝飛先生。
嗚呼うん。納得だよ。そりゃモテないわ。
「毎日毎日『朝飛君に渡してください!』ってプレゼントやらラブレターを頼まれるんだぜ? 俺は宅配便じゃないっての!」
「かといって断ると全校生徒の女子を敵に回すことになるからなぁ」
「俺に近寄って来る女の子は皆朝飛目当てだし……どうして朝飛ばっかモテんだよ! モテる秘訣を教えろ!」