銀盤少年
「「ラブレターをラブレターだと気付かない……だと……?」」
「またハモッたね」
笑う朝飛と裏腹に、タクさんに対するイメージがピシピシと崩壊していく音が聞こえてきた。
俺と兄貴が困っていた時にはすぐに気付いて救いの手を差し伸べてくれたタクさんが、恋愛面においてはかなりの鈍感だと?
ありえないだろ。それってつまりタクさんは―――
「童貞なのか?」
今この場に相応しいBGMは『ピシャーンッ!』だろう。
まさに衝撃。稲妻が迸る。
「いやいやいや、それはないだろ。タクさんがドーテーなら、日本男子の八割がチェリー君ってことになるぞ?」
「それは言い過ぎだろ」
「言い過ぎなんかじゃねえよ。てか、あんなテポドン持ってるのに未使用とかありえないって!」