銀盤少年
「「んぐぅっ!?」」
喉にハムが詰まった。ぐ、ぐるじい……。
二人同時に詰まったから、お互いの背中をバンバン叩いて詰まった物を胃に落とす。
言えない。言えないですよタクさん。
ゴクリとハムを飲み込んで、とっさに思い浮かんだ言葉を口にした。
「第七の新しいジャンプを考えてました」
ナイス口からデマカセ! 発想がアホっぽいけど本当のことを話すよりは一億万倍マシだ。
「そうなんっすよ! んで、モホークからのルッツというモホッツジャンプなるものをですね!」
「それって以前羽生さんが跳んでた変則ルッツだよな?」
仁よ、お前は少し黙っとけ。
今日の練習は曲掛け練習がメイン。