銀盤少年
合宿には国際ジャッジの資格を持つ人も参加していて、この曲掛け練習中に一人一人のプログラムを見てこっそり評価しているとかいないとか。
俺達選手にはなんにも教えてくれないが、後でコーチにその評価が伝わる仕組みになっているらしいけど、真相は闇の中。よくわからんシステムだ。
いずれにせよ、国際ジャッジが見に来ているのは事実。
今から少しでも好印象を与えようと、練習とはいえ皆本気で滑って来る。
曲を掛ける順番は早い者順。結構シビア。
ショートとフリー好きな方を選択出来るけど、今の所SPを滑る選手が多い。
俺はショートとフリーどっちを滑るか迷ったせいで後ろの方。
フリーの曲は先生とも相談して『winter into spring』に決定した。
これはタクさんのFP候補曲だったもの。そのタクさん本人が編集してくれた音源を使う。
タクさん本人の前でこれを滑るのかなり勇気がいる。
だけどタクさんに見てもらいたいという気持ちもあって、悶々と悩んでいる内に出遅れた。
んで、悩んだ結果フリーを滑ることにした。とろいって言うな。