銀盤少年
「でも、三強がまた揃って俺も嬉しいよ。仁の方は色々と情報が入ってきてたけど、狼谷の方はさっぱりだったから」
「……朝飛に聞いたんですか?」
「あいつ隠し事出来ないから」
朝飛の奴、狼谷のことは誰にも知らせるなと口止めしていたのに!
「大丈夫、仁には一言も喋ってないから。俺も朝飛も」
そしてこの読心術である。
絶対鈍感だなんて嘘だ。こんな鋭いのに鈍感とか絶対にありねえ!
「こればっかりは二人の問題だからな。部外者が下手に絡むと余計に面倒なことになることぐらい、朝飛だってわかってるさ」
タクさんは言う。
「だけど誰かが支えなきゃいけない。仁は俺達でなんとかするから、狼谷の方は頼んだぞ」
ハニカミながら、また俺の頭をワシャワシャと撫でてくる。
こういうちょっと恥ずかしい台詞を、タクさんはさらっと尚且つ本気で言う。