銀盤少年
なんか気になって、忍び足で物陰からこっそり伺う。
聞き耳を立てるなんて悪趣味だけど、好奇心には敵わない。
壁に隠れてひょっこりと顔を出す。
あ、間違いないヒロだ。そしてもう一人、金髪の背が高い男。
あいつ、度々見たことがあるぞ。
同じ学年で金色に髪を染めて目立っていたから、名前や素性は知らないけど記憶の片隅に記憶していた。
金髪というだけで特に悪い噂とかは聞いたことがないが、どう見えても不良少年にしか見えない奴とヒロは一体何の話をしてるんだ?
もしかして恐喝? カツアゲ?
ここは少し様子見だ。相手は一人だし、危なくなったら飛び出して助けよう。
「……無理だ」
「嘘だ。ケンちゃんだって本当はフィギュアをやりたいんだろ?」
金髪不良にちゃん付けとは、なんともチャレンジャーな男である。