銀盤少年
二回転

冬の妖精


本人比でよく滑れた方だった。


滑り終わったらボロクソになじってやろうと企んでいたであろうケーゴも、棒読みながら「ヨカッタデス」と一定の評価はしてくれた。


意地は悪いが嘘はつかない直球ど真ん中な性格だから、お世辞ということもないだろう。


仁も朝飛も今までと違って新鮮だと言ってくれた。だけど問題はタクさんの評価だ。


スケートに関しては一切誤魔化さない人だから、上手くオブラートに包みながらもYes/Noはハッキリ言う。


ドキドキドキ。緊張の一瞬。


「スケーティングがよくなったな。宮本先生以外に見てもらってる?」


良いか悪いかの回答を待っていたから、タクさんの問いに反応が遅れてしまった。


「えーと……部活のマネージャーがコンパル重視の練習メニューを組んでるんで、多分そのお陰?」


「マネージャー? ……そっか、良い指導者に出会ったんだな」


指導者なのかなぁ?
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