銀盤少年

あははっ、気付かれてましたか。


どんな顔をすればいいのか判らないから、とりあえず笑顔を張っておいた。ぶっさいくな顔だったと後で後悔。


「なんか知り合いみたいだったけど、友達?」


「狼谷健太郎(かみやけんたろう)カズなら知ってるんじゃないかな」


「狼谷健太郎?」


知ってるもなにも、あいつは金髪不良ということで名前こそわからなかったが学校ではそこそこ有名―――


「狼谷健太郎!?」


記憶の片隅にあった金髪不良と、記憶の奥深くに眠っていた過去の記憶が、パズルのピースを合わせるようにピッタリと当てはまった。


「狼谷健太郎って、あの“大塚世代”の三強の一角“漆黒の狼(ウルフ)”のことか!?」


過去の映像と現在の映像が頭に流れる。


にしても漆黒の狼とか、厨二病乙な残念ネーミングだなぁ……じゃなくて!

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