銀盤少年

押し黙るケンちゃん。普通に寸法を測ろうとしたら、嫌がって拒否したはずだ。


もっと人の好意に甘えればいいのに。不器用というか、照れ屋というか。


「兎に角さっさと着て。さもないと」


「……わかったよ」


指の骨を鳴らした途端素直になった。最初からそうすればいいものを。


衣装を乱暴に受け取り早速その場で着替え始める。


おいおい、優希ちゃんがいるのにいきなり脱ぎ出したら……。


「って、ガッツリ見てる!?」


「え? なに?」


「いや、うん。なんでもない」


そういえば、優希ちゃんとカズは小さい頃からの幼馴染だっけ。


男性の裸は見慣れてる……のかな? 
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