銀盤少年
龍はタクさんとミューさんをずっと指導してきた佐藤コーチの元で、スケートのイロハを学び基礎を鍛えてきたのだ。
伸び白なんて腐るほどある。今がまさに成長期。
成長目まぐるしいだけでなく、世界ジュニアの上位陣が揃ってシニアに転向したため、現在の男子ジュニアのトップは龍を含めた数人。
今大会の参加選手全員の目標は、打倒龍に絞られているはずだ。
もちろん俺もその一人。最終的にはこの頂きを越えなきゃならない。
にしても、ロシアの血が入るとこんなにもイケメンになるのか?
恐るべしハーフ補正。イケメンで、スケート上手くて、二ヶ国語喋れて(以下略)こんな理不尽あってたまるかってんだ。
俺の周りには超人が多すぎる。類は友を呼ぶっていうけど、俺だけめっちゃ浮いてんぞ!
「なんだろう……めっちゃ消え去りたい……」
「え!? どうしたの急に!」