銀盤少年
ただ前者での交代ルールは非常にありがたい。
怪我をして途中棄権→ポイント0なんてことになったら、そのチームは圧倒的不利になる。
団体戦ならではの特殊ルール。運営側もよく考えたもんだ。
だけどそれは控え選手も滑れるということを前提としているわけだから、俺達チームにはこのルールは使えない。
控えの俺は滑れないのだから。
「一応ダミーの音源は作っておいたから、それを提出するよ。この程度の管理体制なら工作活動も必要ないと思うけど、後でいちゃもん付けられても面倒だからね」
「そ、そうだね(工作活動は突っ込まない方がいいよね?)」
「……(なぜ管理体制を把握しているのかは聞かないでおこう)」
「……(よくわかんないけど、ヒロ先輩はカッコイイナー)」
「……(引率なんてめんどくせぇな。さっさと予選敗退しちまえー)」
「先生、後でお話があるので開会式の後僕の所に来てください」
「ッ!?」