銀盤少年
先生は俺の言いつけ通り鬼電中。
余計な言動をされてこの場を乱されては大変だから、暫くは放置の方向で。
後は……俺がすべきことは……。
「優希ちゃん。悪いけど近くに衣料品店があったよね? そこで適当に動きやすそうな衣服を見繕ってくれないかな」
「いいけど……まさかヒロ君が!?」
「最悪ね。ダミーの音源を使いたくはなかったけど」
「でもヒロ君はマネージャーで……そもそもプログラムなんて!」
「失格になるよりはマシだよ。これでも一応経験者だし、アドリブでなんとかするさ」
そうだ。このまま失格になるよりは幾分マシだ。
マネージャーとか滑るプロがないとか言っている場合じゃない。
皆が頑張っていたのは身近にいた俺が一番わかってる。
今までは見守るだけだった。だから今度は俺が皆を守りたい。