銀盤少年

3Lzを入れたのも、今後のことを考えて組みこんだのだ。


実戦で跳べてこそ意味がある。そのイメージをこの大会で植え付けるのが草太君の課題の一つ。


それに、ここからが草太君の見せ所。


草太君の武器は柔軟性を生かしたスピン。ここからが巻き返しだ。


まずは規定要素の足換えスピン。


今年の足換えスピンは、足換えキャメルスピンと指定されている。


ノーマルポジションのキャメルを回り始まると、乱れることなくチェンジエッジを行い、背中を反らしてフリーレッグを曲げる。


頭の上からエッジを掴むと、ドーナツスピンに変形した。


草太君は背中の筋肉が柔らかく、エビ反りしながら両足を肩に乗せることが出来る軟体人間だ。これぐらい出来て当然。


綺麗な円形。男子でこの形はなかなか見れない。


軟体人間の草太君にとってドーナツスピンは朝飯前。無駄な力が一切入っていないから、回転速度もポジションも保ったままだ。
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