銀盤少年

「決心はついた?」


口火を切ったのはヒロ。


ふっと微笑むヒロの表情は、こんな状況でもカッコイイナーと思ってしまう。


やっぱイケメンって得だ。碧眼というのもイケメン度をアップさせてる。


「いい加減にしろよ」


給水塔の地盤の影から様子を伺っているが、静かな怒りがここからでも良く見える。


敵意剥き出しの視線を送られたヒロは、それでも笑みを崩さなかった。イケメンは怒りの沸点も高いのか。


「お袋も手駒に取って、外堀から埋めていく作戦か?」


手駒に取る?


嗚呼なるほど。狼谷のおばさんを味方につけたのか。


可愛い小さな男の子が、数年の時を経て超絶イケメンになって戻ってきたのだ。


そりゃ味方するよなぁ。だってイケメンだもんなぁ。
< 27 / 518 >

この作品をシェア

pagetop