銀盤少年
「決心はついた?」
口火を切ったのはヒロ。
ふっと微笑むヒロの表情は、こんな状況でもカッコイイナーと思ってしまう。
やっぱイケメンって得だ。碧眼というのもイケメン度をアップさせてる。
「いい加減にしろよ」
給水塔の地盤の影から様子を伺っているが、静かな怒りがここからでも良く見える。
敵意剥き出しの視線を送られたヒロは、それでも笑みを崩さなかった。イケメンは怒りの沸点も高いのか。
「お袋も手駒に取って、外堀から埋めていく作戦か?」
手駒に取る?
嗚呼なるほど。狼谷のおばさんを味方につけたのか。
可愛い小さな男の子が、数年の時を経て超絶イケメンになって戻ってきたのだ。
そりゃ味方するよなぁ。だってイケメンだもんなぁ。