銀盤少年
人よりちょっと厳しいだけ。愛の鞭だということにしておこう。
「まあなんにせよ良かったじゃないか。予選突破で次は本戦だろ? ヒロ君の頑張りを無駄にすんじゃないぞ」
ポンポンと背中を叩かれて喝を入れられる。
ヒロのファインプレーもあって、ギリギリ三位になり予選を突破することが出来たが、安心は出来ない。
優勝は下馬評通りチーム朝飛。二位も予想通りでチームケーゴ。
まだ始まってないけど、西ブロックではタカさん率いる大学生チームが上がって来るだろう。
いずれも強豪。特に朝飛の動向によって戦局は大きく変わる。
今回の予選だって、ジュニア用に若干手直ししたSPで80点台を叩き出したのだ。
ショートで朝飛がぶっちぎり、仁がフリーで手堅く抑える。まさに究極にして最強の布陣。
まあ、このまま指をくわえているつもりは毛頭ないけどな。
「兎に角今は、ジュニアグランプリの二戦目に備えないと。橋本杯も大事だけど、メインはこっちだからな」