銀盤少年

人よりちょっと厳しいだけ。愛の鞭だということにしておこう。


「まあなんにせよ良かったじゃないか。予選突破で次は本戦だろ? ヒロ君の頑張りを無駄にすんじゃないぞ」


ポンポンと背中を叩かれて喝を入れられる。


ヒロのファインプレーもあって、ギリギリ三位になり予選を突破することが出来たが、安心は出来ない。


優勝は下馬評通りチーム朝飛。二位も予想通りでチームケーゴ。


まだ始まってないけど、西ブロックではタカさん率いる大学生チームが上がって来るだろう。


いずれも強豪。特に朝飛の動向によって戦局は大きく変わる。


今回の予選だって、ジュニア用に若干手直ししたSPで80点台を叩き出したのだ。


ショートで朝飛がぶっちぎり、仁がフリーで手堅く抑える。まさに究極にして最強の布陣。


まあ、このまま指をくわえているつもりは毛頭ないけどな。


「兎に角今は、ジュニアグランプリの二戦目に備えないと。橋本杯も大事だけど、メインはこっちだからな」
< 316 / 518 >

この作品をシェア

pagetop