銀盤少年

誰に対してもそうだし、幼馴染のヒロにすら似た対応だから本人の性格なんだろう。


興味を持たれているだけマシか。興味のジャンルにもよるけれど。


面倒なことになりそうだと思いながらもダッシュで練習場へ向かう。


ダッシュした甲斐あってすぐに到着。んじゃ、狼谷の愚痴を聞く覚悟をしましょうか。


ふぅっと一息ついて中に入ろうとしたら、丁度草太と遭遇した。


「あ、カズ先輩」


「おー。わりぃ遅くなった。ヒロと狼谷は?」


「あの……今は行かない方がいいと思います」


「へ? なんで?」


「狼谷先輩がジャンプで転倒して……」


断片的にだけど草太は一部始終を語ってくれた。


どうやら転倒した際に足首を痛めたらしい。

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