銀盤少年

ちょっと気になるな。ヒロのお説教と言う名のお仕置き。


「こっそり様子見てみるか」


「えっ、ダメですよ。バレたらヒロ先輩に怒られますよ」


「物陰からちょっと覗くだけだって。怪我の程度も気になるし」


本当は怪我よりもお仕置きの方が心配だ。


また物置きに監禁とかされてたら可哀そすぎるし、一生立ち直れない。精神的に。


てなわけで、物陰からこっそり覗き見。


なんだかんだで草太も付いて来てるし、やっぱ気になるんだな。


狼谷はベンチに腰掛けて、ヒロは足元に座り込んで狼谷の右足にグルグルと包帯を巻いている。


慣れた手付きで治療してる。なんでも出来るんだなヒロは。


「無茶しすぎ。軽い捻挫だからすぐ治るけど、一歩間違えれば二度と滑れなくなるぞ」


怒気が籠った声色で、淡々と作業を進めるヒロ先生。
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