銀盤少年
ジュニア選手でなら誰でもチームを組んで出場出来るのを売りにしているので、学校もクラブもバラバラなチームも存在している。
だからオリジナルのチーム名を書いてくださいと大会運営局から連絡があったのだが……。
「なんで“チームnature”なんだ?」
チーム名の欄に書かれていたのは謎の言葉。
カズに頼んで書いてもらったのだけど、そういえばなんでnatureなんだろう?
「さあ? カズが一人で考えたので意味は全く」
「へー。まあいいや、これ提出すればいいんだな」
面倒だと口にしながらもしっかりやってくれるのが鈴木先生の良い所。
ていうか、これくらいのことはしてもらわないと困る。顧問なんだし。
折角だし俺もブラブラしよう。見知った顔と遭遇出来るかもしれないし。
今日は大きなトラブルもないし気持ちに余裕がある。清々しい気分だ。
「サーシャ!」