銀盤少年
「明るくて良い子だよね。可愛げもあるし」
そして彼の本性に気付かない本当の良い子がすぐ側に。
まあ可愛げはあるのかな? 憧れの人に想いを寄せてる純粋な気持ちは……うーん。
ストーカー予備軍になりそうで恐い。タクさんも朝飛も、人気者は色々と大変だ。
そこから適当に談笑をかわして、後で一緒に観戦しようと約束をした。
チームの所にいなくていいのかと聞いたら、「俺が近くにいると皆が集中出来ない」と困ったように微笑んだ。
嗚呼なるほど。結構マスコミがいるもんな。
元世界ジュニア王者が二人も揃ったら、カメラは間違いなく二人にのみ向けられる。
だから予選会の時も、ずっと俺の側にいたのか。今ほどじゃないけどマスコミも多かったし。
仕方ないので二つ返事でOKをしたら、一旦チームの元に戻ると言って解散した。
そろそろ開会式。皆集まって来る時間。
俺も行こう。決闘の地へ―――