銀盤少年

その分衝撃も抑えられ、流れるように着氷。続けて左足のトウを突く。


セカンドジャンプの方が高い。


着氷と同時にこれ見よがしに笑みを浮かべると、両手を上げてちゃっかりアピール。


3F-3Tは大成功。あんなジャンプを魅せつけられたら、ジャッジも加点を付けざるを得ない。


見学者は味方につけた。このまま勢いに乗ればこちらのもの。


次はカズの苦手としているスピン。足換えキャメル。


バックエントランスからノーマルポジションのキャメルスピン。


軸も乱れず綺麗なT字型。何気に背が高いから、迫力も満点。


素早く軸足を換え、今度は仰向け態勢のキャメルへ移行。


珍しくトラベリングは起こらなかったが、肝心のレベル取りは微妙なところ。


カズの最大の弱点は、身体が硬くスピンが苦手。


軸が定まらないという弱点は見事に改善してきたが、苦手意識と柔軟性の問題だけはどうしても残ってしまう。
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