銀盤少年
キャメルスピンからの足換えコンビネーション。
キャメル、チェンジエッジを行いクロスフット、軸足を換えてシットスピン、最後にA字スピンでフィニッシュ!
―――パーフェクトの一言に尽きる演技。
ジャンプの質にスピンとステップのレベル取り、スケーティングや表現の面でも非の打ちどころがない。
これほど高水準で安定した演技が、復帰初戦で出来るなんて信じられない。
「うちの大将はなかなかやるでしょ?」
若干どや顔ぎみで朝飛が自慢げに言っているけど、その伸びきった天狗の鼻をへし折ろうとは思わない。
天狗になるのを許してしまうほど凄い演技だった。
「やっぱ仁はすげぇや」
うちの大将もぐぅの音が出ないほど打ちのめされたようだ。
草太君も、これから自分の演技があるのに、なんだかうっとりとしている始末。