銀盤少年
狼谷がFPに選んだ楽曲は、映画もののけ姫より『アシタカ聶記』
ヒロ一押しの楽曲で、嫌がる狼谷に無理やり押し付けたらしい。
まあ嫌だよな。名前とかけてると思われるだろうし。
でも曲自体は素晴らしいもので、個人的にジブリの曲の中でトップ5に入るくらい好きな音楽だ。
それに、曲の雰囲気が狼谷と合っている。
不穏で力強くて、だけど自然な美しさがあって、ヒロの選曲はあながち間違いじゃないかもしれない。
曲がかかり狼谷の演技が始まる。
音楽の印象も相まってか、鋭い眼光がより強みを増して背筋がゾクゾクッと震え始めた。
日本人なら知らない人などいない有名な映画。
そのストーリーが頭の中に入っているから、狼谷の近寄りがたい孤高なイメージとドンピシャで、このプログラムの期待値が一気に跳ね上がって行く。
シンプルなコリオグラフだけど、狼谷の存在感が前面に押し出されていて、心をガシッと鷲掴みにされたような感覚が全身を駆け巡った。