銀盤少年
「橋本杯総合三位と、狼谷の仲直り記念(仮)はどうすっか?」
「先生は絶対出さないよね。あの人優勝しか眼中にないから」
「俺達の三位は優勝以上の価値があるってのにな」
「そうだね。多分ここが分岐点になるんだろうね」
ヒロは笑う。
分岐点。物事がどうなるかの分かれ目。
狼谷のスケート人生における第二の分岐点。
だけどヒロが言う分岐点とは、狼谷だけに向けられたものじゃなくて。
もっと大規模な物であったと知るのは、もう少し先のお話なのである。