銀盤少年

出場選手もそうだけど、GPSの後半戦ということでファイナル出場をかけた選手も多い。


気持ちの入れようというか、闘志がメラメラと燃えているのがわかる。


今年からGPSの出場選手が十二人から十人になったけど、それを感じさせないほど密度の濃い試合内容が繰り広げられた。


会場のボルテージは上昇の一途。優希も興奮しっぱなしで、手を真っ赤にさせながら手拍子を続けている。


変な所で手拍子されると、リズムがズレてわかんなくなるんだよなぁ……という本音は黙っておく。


邪魔になることもあるけど、やっぱ手拍子されると嬉しいんだよね。選手としては。


っと、あっという間に本日のメインイベント。最終滑走者の登場だ。


世界ランク一位。現世界女王にして“絶対女王”の異名を持つ生きる伝説。


安西美優のご登場だ。


神演技の連続で温まりまくった会場に姿を現すと、悲鳴や絶叫があちこちで湧き起こる。


人気や知名度が桁違い。空気が揺れているのを肌で感じる。
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