銀盤少年

こっから観た限りでは多分大丈夫。仮に取られたとしても、重度の回転不足じゃないからUR(アンダーローテーション)で済むはずだ。


URだと基礎点の七割だから……四捨五入で9.6ちょい? それでも十分な得点だ。


高難易度のジャンプの次はフライングシットスピン。


デスドロップからキャノンボールスピン。深いシットでポジションも綺麗。


軸ブレ? ノロノロ? 天下の美優様にそんな初歩的ミスなどございません。


ポジションチェンジはパンケーキ。しかも上半身を捻るというおまけ付き。


キャノンボールでしっかり八回転以上回ってる。レベル4は確定か。


ステップからの3Fは最早鉄板。エッジエラーなんてないし、フリップでミスしたことも俺の記憶の中ではない。


本当はフリップの方が得意なのに、「ルッツの方がカッコイイ!」という理由でルッツからの3-3を跳んでいる人なのだ。


次元が違い過ぎて何を考えているのかよくわからん。天然って恐い。


曲のテンポが上がる。軽快なリズムに乗せてキャメルスピンを回り始めた。

< 408 / 518 >

この作品をシェア

pagetop