銀盤少年
こっから観た限りでは多分大丈夫。仮に取られたとしても、重度の回転不足じゃないからUR(アンダーローテーション)で済むはずだ。
URだと基礎点の七割だから……四捨五入で9.6ちょい? それでも十分な得点だ。
高難易度のジャンプの次はフライングシットスピン。
デスドロップからキャノンボールスピン。深いシットでポジションも綺麗。
軸ブレ? ノロノロ? 天下の美優様にそんな初歩的ミスなどございません。
ポジションチェンジはパンケーキ。しかも上半身を捻るというおまけ付き。
キャノンボールでしっかり八回転以上回ってる。レベル4は確定か。
ステップからの3Fは最早鉄板。エッジエラーなんてないし、フリップでミスしたことも俺の記憶の中ではない。
本当はフリップの方が得意なのに、「ルッツの方がカッコイイ!」という理由でルッツからの3-3を跳んでいる人なのだ。
次元が違い過ぎて何を考えているのかよくわからん。天然って恐い。
曲のテンポが上がる。軽快なリズムに乗せてキャメルスピンを回り始めた。