銀盤少年
不安と緊張が完全に消えて、根拠のない自信がどこからともなく溢れてくる。
よし、いつもと同じ。これならいける。
ピアノの音色。条件反射で身体が動きだす。
冒頭のジャンプ。これが決まるかどうかが大きな勝負。
大丈夫。きっと大丈夫。
成功したら一躍ヒーロー。
ミスったとしても、まあそれは今後の課題ということで。
ゆっくり息を吐く。
よーく見てろよ。狼谷、仁。
もう二年前とは違うってことを、お前らに魅せてやんよ!