銀盤少年

ライバルが4Aを跳んで成功させたんだ。不機嫌になるのも致し方ない。


そんな心情を知るわけもなく、本日のヒーローがこちらに向かって来た。


さっきまでスマイル全開といった表情を浮かべていたけど、俺の姿を見るなり笑顔は面白いほど冷めて行った。


「あ、あの、ヒロ先生……これにはその、駿河湾よりもふか~い事情がありまして……」


「大丈夫。俺だってそんなに外道じゃないよ」


笑みを浮かべながら俺は言う。


「シーズン中に骨を折るなんてことはしないよ」


「あはは……さい、ですか……」


(外道だな)


(外道すぎるぜヒロノン)


「二人とも、なんか言った?」


「「いえ、なにも」」

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