銀盤少年

現時点でケーゴが二位。完全に調子を取り戻し、自己ベストを更新している。


草太も四位と好成績を収め、十位以上が確定した。


ジュニア勢の台頭。このまま行くと、ジュニアの誰かが世界選手権の代表に選ばれる可能性も出てきた。


これはもう狙うしかない。


タクさんと朝飛はもう既に決まっているようなもの。この化物兄弟を今の俺達が倒せるとは正直思っちゃいない。


だから表彰台の最後の一つをもぎ取った者が、恐らく世界選手権の代表に選ばれる。


いつにも増した緊張感が、六分間練習の間にも漂っている。


タクさんと朝飛は慣れたようなもので、集中して自分の演技を確かめていた。


タカさんも年齢だけみたら、このグループで二番目に高い。落ちついていてジャンプのタイミングを確認している。


仁も一度はジュニアの頂点に立った男だ。緊張はしてるだろうけど、バンバンジャンプを決めている。いつ見てもすげぇジャンプ。


そして狼谷はというと、なんと試合前に髪の毛を黒く染め直したのだ。
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