銀盤少年

「生理的に受け付けないだけだ」


「あ……そうですか……」


そう言われちゃったらもう何も言えないよ。本能が拒否ってるんならもう仕方ないよね。


だけど、


「まあ、スケーターとしては一応認めては……いる」


そんなに嫌いでもなさそうだ。


そういえば、この前ヒロ君が言ってたっけ。


健太郎君は人と距離を詰めるのが苦手だって。傷つけてしまうのが怖いからって。


だから人が寄りつかないように、髪を染めたり反感を買うような言動をするんじゃないかって。


不器用で臆病者。そんなに怖がる必要なんてないのに。


健太郎君が思っているより、私達は結構逞しいんだから。


「ふふっ。健太郎君は見掛けによらず可愛いねぇ!」
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