銀盤少年
ナイスタイミングで一樹達が戻って来て、いつになくテンパっている健太郎君が一樹に向かって大声を出した。
「お、おい! こいつ……男なのか!?」
「へ? ありゃ? 教えてなかったっけ?」
「まじかよおい……でもこいつ、制服が!」
「まあ、制服なんて作ろうと思えばいくらでも作れるしね」
「ヒロノと草太も知ってたのか!?」
「同じクラスだからね。最初は驚いたけど」
「僕も付き合いが長いので」
健太郎君、沈黙。
吃驚し過ぎて思考が停止してるみたいだ。まあ、この反応は慣れっこだけどね。
でも嬉しいな。それだけ驚いてるってことは、私のことを女の子だと信じて疑わなかったってことだもん。
私の女子力も、なかなか捨てたもんじゃないかな? なんてね。