銀盤少年
「演技構成点は……」
一瞬横目で優希ちゃんの表情を確認したら、彼女は口元を手で押えていた。
得点は―――
「5」
共に5点。合計は10で、奇跡的に同点という結果。
暫しの沈黙の後、静寂を破ったのはケンちゃんだった。
「……どういうことだ」
怒りで声が震えている。不穏な空気に、カズは審判を務めた二人の前に立ってケンちゃんに対峙する。
だけどケンちゃんの視線は俺に向けられ、眉間に深い皺を寄せながらカズのことを指さした。
「なんであんな駄プロの演技構成点が5点なんだ! あの程度の演技なんてノービスでもできるぞ!」