銀盤少年
廃部の危機
まずい。非常にまずい。
我が聖陵高校フィギュアスケート部は、開校当初から存在する(とはいえ歴史は浅いけど)伝統ある部活である。
その部活が今、廃部の危機に陥っていた。
卒業と当時に三年生が一気に抜け、残った部員は俺と幽霊部員の幼馴染である優希の二人だけ。
ちなみに優希は本来手芸部に属しているのだが、俺が無理を言ってスケート部にも入ってもらっている。
ええ、毎年部員数不足でデットラインを彷徨い続けているんです。
部員が五人以上いないと部活動として認められず、今年三名の新入部員が入らないと、今学期を持ってフィギュアスケート部は廃部となってしまう。
まずいなんてもんじゃないぜ。まったく。
放課後の空き教室。机に突っ伏しながら、今後の展開を模索する。
頭の中は部員数のことで一杯一杯。多分頭から湯気が出てる。
部長として俺は頑張った。もしかしたら試合よりも頑張ったかもしれない。