銀盤少年
「……お前のKYなところが昔から嫌いだ」
「けーわい? 新しい和製英語かなにか?」
「はぁ……自分で調べろ」
溜息をついて、再び歩き始めるケンちゃん。
口調が変わった。
今までは徹底的に拒絶していた口ぶりだったけど、ぶっきらぼうで不器用な話し方になっていた。
見た目がキツい上に人見知りが激しく口下手だから、常に不機嫌だと思われてしまうケンちゃんの悪い所。
本当はクールでも一匹狼でもない泣き虫な男の子だったとカズに言っても、絶対に信じてはくれないだろう。
それは今も変わってない。
誰の責任でもない事故を、今でも引きずって自身を戒めてしまう弱くて優しい少年なんだ。
少しはシコリが取れたかな? だとしたら、少しは役に立ったかな?